町でよく見かける「石敢當」

沖縄の町を歩いていると「石敢當(いしがんとう)」という文字をよく目にする。

 

本土の人にとっては全く馴染みのないものであるが、沖縄では道の交差点や行き止まり、時には民家の塀などにもよく見かける。

 

表札のような形式のものもあれば、壁に直接掘られたようなものも見受けられる。

 

さらには50センチ以上もある大きめのものや、プラスチックに文字が刻まれているものなど形も様々である。

 

時にはシーサーの形をしているものもある。

 

沖縄には「石敢當」という苗字が多いのかと思いきや、そうではないのである。

 

実はこの「石敢當」には深い意味があり、まさにこれこそが沖縄独特の文化が根付いているのである。

 

そこで今回はこの「石敢當」の意味について、ご紹介していきたい。

「石敢當」の役割

「石敢當」は魔除けの役割を持つ石碑であり、魔物を退治する役割がある。

 

魔物「マジムン」は曲がることを不得意とし、直進しかできない性質であると考えられており、T字路や行き止まりなどにある家屋に入ってきてしまう可能性があるのだ。

 

それを防ぐための役割こそがこの「石敢當」であり、これを置くことで魔物はこれに激突して、砕け散ってしまうと考えられている。

 

これは沖縄と鹿児島に多く点在しており、それ以外の地方で見られることは少ない。

 

尚沖縄県では「いしがんどう」や「いしがんとう」と読むことが一般的だが、鹿児島県では「せっかんとう」と読まれることが多い。

 

石敢當は、中国発祥の風習であると考えられているが、石敢當という勇者の名前にちなんだものなど諸説ある。

 

また石敢東、石散當、石散堂など、その表記も様々である。

「石敢當」のお土産

沖縄のお土産ショップには、この「石敢當」をモチーフとした置物をよく見かける。

 

最近ではステッカーやお菓子などにも、デザインされているものも多く、沖縄らしいお土産として人気を集めている。

 

魔除けの意味があるからこそ、玄関やリビングなどに置けば運気アップも期待できそうなアイテムである。

 

値段も数百円で購入できるお手頃な価格帯となっている。