沖縄の仏壇と「トートーメー」

沖縄では仏壇のことを「トートーメー」といい、本土の仏壇とは異なる独自のスタイルがある。

 

また「トートーメー」とは、ご先祖様や位牌をさすこともある。

 

お正月はお盆になると、仏壇の前に家族が集まって、ご先祖様を偲び、日頃あったことをご報告したり、感謝の気持ちを伝えて過ごすことが一般的である。

 

沖縄では、大人が子供に向かって仏壇の前で「ウートートーしなさい」という言葉を使うことがある。

 

これは仏壇の前で手を合わせて拝むことを意味しており、「ウートートー」とどこか言葉の親しみやすさから使われることが多い。

 

「トートーメー」と継承問題

「トートーメー」は基本的に仏壇のある家の長男が継承することが多く、古来から琉球王府が重んじていた儒教思想も基づいたもので、女性の継承は認められていない。

 

その他にも父系の異なる男子継承の禁止、長男排除の継承の禁止、兄弟や従兄弟の位牌を同じ仏壇に置くのを禁止など、独特の禁忌事項が設けられている。

 

これらの考え方は沖縄本島の中南部に強い傾向が見られるが、全く見られない地域もある。

 

しかし戦後男女同権思想が浸透していく中において、女性が位牌を継承できないことや財産分与などを含め、仏壇の問題は沖縄の社会問題となっていることも事実である。

沖縄の仏壇と置く場所

沖縄の仏壇は三段で構成されており、下段の両脇にろうそく立てを置き、その真ん中に香炉をおく。

 

中段には仏飯器、水入れ、酒入れ、茶碗と台座、上段には位牌とその両脇にお花を飾るのが一般的である。

 

また位牌が二段に分かれていることもあり、その場合は上が男性、下が女性となる。

 

また行事などがある場合は普段のお酒などに加えて、重箱、餅、果物、お菓子などがお供えされる。

 

沖縄の家では家の中心部にある二番座が仏間とされ、古来からトートーメーが家の中心にあり、崇められてきたことが分かる。

 

ただし現代の家では二番座がないこともあるので、その家において上座となる場所に置いたり、リビングや和室などに置くことがよいとされている。

 

また仏壇と神棚は南向きもしくは東向きがよいとされており、向かい合わせになることはないが、仏壇は神棚とは別の部屋に置き、いずれにしても普段から周辺を清潔に保っておくことが大切である。