琉球建築の特徴

琉球建築とは、かつて沖縄が琉球王国として栄えていたためその頭文字をとって琉球建築と言われている。

 

沖縄は本土とは異なり日本の南西に位置しており、建築物の多くは技術や素材などは、本土や中国などと似ている点も多く見られるが、亜熱帯地方に属していることからそれに対応するべく独特の建築様式を見ることができる。

 

赤い屋根などどこかエキゾチックな雰囲気もあり、その光景もまさに沖縄らしさを感じるものである。

 

また高温多湿、風土、島という地形を活かした資源などの観点から、建築様式においても独自の歴史を刻んできたことも琉球建築ならではであり、、この建築様式は琉球王国に近い鹿児島県の奄美諸島でも見ることができる。

 

2000年に世界遺産に登録をされた首里城やその他のグスク、多くの琉球寺院も琉球建築の一つであり、当時活発に中国と交流を持っていた中国の影響を見ることができる。

 

また特徴の一つに、本土の寺院建築等の技法を取り入れており、多くの類似点も見ることができる。

琉球建築の知恵と工夫

沖縄は先史時代から風土に合わせた岩陰・洞穴住居に住んでいたと考えられており、竪穴式住居などもあったと推測されている。

 

戦後になってようやくコンクリート造りの家も増えてきたものの、それまではまさに先人からの知恵と工夫を活かした造りであった。

 

琉球建築の特徴の一つといえば、やはり頻繁にやってくる台風に備えた建物と言える。

 

一般的な民家の多くでは周囲に石積みの塀を巡らせ、さらに屋敷林などを植え、強風で煽られないような造りとなっている。

 

また屋根瓦を漆喰でしっかりと固定しており、屋根や建物を重くすることで吹き飛ばされることがないように工夫されている。

 

夏場は日差しが強くなることから、直射日光を避けるべく軒がせり出している「雨端(アマハジ)」と呼ばれる空間が軒下に設けられていることもある。

 

また多くの民家では「貫木屋形式」とよばれる方式を取り入れており、これは基本的に釘を使わずに仕口や継手で締め固め、建物をしっかりと造りにすることができるのである。

 

まさに琉球建築は先人からの知恵の集大成ともいえる。