琉球王国時代から伝わる沖縄の宮廷料理

琉球料理は主に「宮廷料理」と「庶民料理」の2つに分けることができる。

 

味や見た目は、日本本土と似ているものもあるが、沖縄独自の食文化に広く根付いているものであり、まさに古来からの伝統の上に確立されている料理である。

 

宮廷料理はいわゆる琉球王国時代において、中国の使者である冊封使をおもてなしするための料理であった。

 

国賓でも彼らを最高級に歓待するための料理であり、それはまさに中国からの影響がとても大きい。

 

特に宮廷料理は中国から彼らが持ってきた食材や食文化の影響を色濃く受けており、また日本本土からの影響も多少なりとも受けている。

 

また冊封使と一緒にやってきた料理人から料理を教えてもらうこともあったと言われている。

 

宮廷料理はとても色鮮やかで、華やかな盛り付けがなされていることがその特徴で、まさに琉球王国時代の栄華を反映しているものといえる。

 

例えば「花イカ」とよばれる料理があるが、これはイカに切り込みを入れて表面を赤く染めたもので、これが一つあるだけで料理に花が咲く印象を持つ。

 

赤と白の対照的な色合いが見事であり、これは中国から伝わってきたものである。

 

宮廷料理の中でも、今に至るまで継承されているものといえばやはり豚肉を使った料理である。

 

頭から足まで余すことなく部位を使い、豚の角煮、豚汁の吸い物、ミミガー、豚足の煮込み料理などがある。

沖縄独特の気候から誕生した庶民料理

一方庶民料理と呼ばれるものは、台風が多い沖縄特有に気候の中から誕生した、オリジナルの料理である。

 

亜熱帯地方に属する沖縄地方は、高温多湿でとにかく食べ物が腐りやすい傾向にあり、料理に創意工夫を重ねているのだ。

 

かつての沖縄ではほとんど魚を刺身で食べることはなかったが、魚を生で食べる際には必ずお酢に付けたり、野菜は炒めたりすることが多く、栄養価を落とさずに食べる工夫を見ることができる。

 

その代表といえるのが「チャンプルー料理」であり、野菜、豆腐やお肉などのたんぱく質を一度にたくさん、そして効率的に摂取できるとあって、まさに沖縄を代表する料理である。

 

その代表といえるのがゴーヤーチャンプルーであり、苦いゴーヤと豚肉の合性が抜群である。

 

このように栄養価の高く、ヘルシーな食材をたっぷりと使っていることこそが、長寿に秘訣といえるに違いない。