国指定史跡の安慶名城跡

安慶名城跡は沖縄中部、うるま市の具志川地区の安慶名にある国指定史跡であり、12世紀〜13世紀ころ築城されたと考えられている。

 

一見すると外側からは森にしか見えないため、なんとも神秘的な雰囲気が漂っている。

 

安慶名城は大川按司によって築城されたと伝えられており、「大川城」とも呼ばれている。

 

大川按司は天願城、屋良城、具志川城などを数々のお城を築城して勢力を拡大した人物であるが、それを危惧した琉球王朝によって15世紀に滅ぼされている。

丘の上にある城跡

城跡は標高約50メートルの琉球石灰岩の丘にあり自然の断崖を巧みに利用したロケーションにあり、主郭と二の郭を囲む野面積手法の城壁を巡らしている。

 

野面積手法とは自然石を使って積み上げるもので素朴な雰囲気がある。

 

中心部は山頂大地でありこれを巡らすように外郭のある輪郭式となっており、これは沖縄のグスクとしては珍しい構造となっている。

 

安慶名城跡への登城口はやや見つけにくい場所にあり、駐車場手前の芝生に向かって左側の茂みに入り口がある。

 

ここから急な階段を登っていくが周囲はうっそうとした自然に囲まれ様々な植物が生息している。

 

そしてその階段を登った先に、自然の岩の裂け目を巧み利用した城門が見えてくるのである。

 

城門は切石を組み合わせてアーチ状の構造を持ち、きれいな曲線を描いたアーチは見事である。

 

この城門を潜ると石積みがあちらこちらに残されており、標高が高い場所にあることから眺めも非常に美しい。

 

また城内北側付近には天願川が流れており、自然の堀として当時重宝されていたスポットである。

 

この天願川は別名として「大川」と呼ばれていたことから、別名「大川城」という名に由来しているとも言われている。

 

発掘調査によって城内からは中国の陶磁器なども見つかっており、当時中国と活発に交流していたことが分かる。

 

安慶名城跡周辺は、安慶名中央公園として整備されており、うるま市屈指の桜の名所としても親しまれている。

 

1月下旬には一足早く春の訪れを告げる寒緋桜が咲き誇り、花見客たちで賑わいをみせる。

 

また公園内にはうるま市営安慶名闘牛場があり、全島闘牛大会も開催されている期間は熱気と活気に包まれるスポットである。